愛犬との体験が動物保護活動のきっかけに
この記事の主人公、ケイティとクインチは現在アリゾナ州の砂漠の多いエリアに住んでいます。彼女達はアウトドアと地域コミュニティが大好きなペアです。ケイティは9時~17時で働き、平日の夜や週末に、ハイキングやパドルボート、バックパッキングなどのアウトドアを楽しんでいます。彼らの一番の幸せは、時間のあるときに新しいエリアを探索しながらも、時に地域の好きな場所で過ごすことだと語ります。彼女達のさらなる冒険を見たい人は、@TRUSTYOURTRAILをフォローして投稿をチェックしてみてください!
私がまだ小さかった頃、「犬と遊びたい!」という気持ちから、いつも近所の家を訪ね、犬と遊んでいました。散歩をしたり、裏庭で一緒に遊んだり、一緒に添い寝したりしていました。私の実家は犬を飼っていなかったので、暇さえあれば、犬と触れあう時間を求めて近所へと出かけていました。
2010年、大人になった私は人生で初めて犬を飼い始めました。愛犬チッパーです。チッパーはノースカロライナ州の小さな動物保護団体からやってきました。私にとってチッパーとの出会いは、「動物保護」の世界を知るきっかけになりました。私はチッパーを家族として迎え入れると、アリゾナ州へと引っ越しました。そこで動物保護団体「Friends for Life」でボランティアを始め、そこでの活動が私の人生を大きく変え、かけがえのない時間となっていったのです。
## 慣れない環境で自分ができることを探し続けた
動物保護団体の中でまず初めに私が担当したのは、動物の世話係でした。この頃は週1回、2時間でゲージの清掃、犬の運動、餌やりなどの活動を行なっていました。慣れてくると、教育チームに入り、団体施設を訪れる人に案内を行うようになりました。
ボランティアの仕事で初めて担当したのは動物たちのお世話係です。週に1回、2時間と短時間ではあるものの、ゲージの清掃や犬の運動、ゴハンをあげたりできることから活動をスタートさせました。だんだん慣れてくると”教育チーム”という、動物保護団体を訪れる人たちに施設の案内をする仕事を行うようになりました。
その後、団体の介助コーディネーターとなり、週1回のボランティア活動だけではなく、イベントの司会やボランティアにやってくる方々のシフト管理などを行うようになっていました。そんな中私は自然と、保護された犬がストレスなく最高の里親を見つけられるように、”犬の行動と特徴から評価を行う”資格を取りたいと思うようになりました。
資格取得のために動物行動学に関する10週間のコースに参加しました。そのコースを通して、多くのことを学び、同じ思いを持つ素晴らしい仲間と出会います。その後、私たちの団体では、犬と里親の最適なマッチングのために新たな仕組みを導入しました。まず、保護犬が人間との触れ合いに慣れるよう、子どもたちが保護犬と遊べる機会を設けました。これは、保護犬が人間とより親しくなるための目的だけでなく、保護犬が人間と遊ぶ姿を観察することで、犬達が人間にどんな反応をしているかといった特徴を把握するためです。注意深く観察すれば理想的な里親とのマッチングを行う重要な情報になります。「動物保護」を知らなかった私が初めて団体に参加した年からわずか3年後には、新しい制度を導入するほどにまで成長しました。人生は本当に予測不可能です。
## 心が通じ合った新しい家族との運命的な出会い
それは新しいボランティア参加者に団体の施設を案内していた時でした。ボランティア仲間の女性から「オフィスにいる、新しいテリアはもう見た?」とメッセージが入りました。
このテリアは私たちの団体が動物愛護協会から引き取ったばかりでした。まだ生後10ヶ月ほどの子犬で、人間と信頼関係を構築できていない状況から、どのボランティアも触れることができない状態でした。
私はどうにも気になりテリアの様子を見にオフィスへ向かいました。そのテリアは奥の部屋に隠れていました。威圧感を与えないようにゆっくりと部屋の中に入り、テリアがいる場所の反対側へ移動し、横向きに座りました。そうすると、ずっと恐怖を感じていたテリアが、私の方にゆっくりと蛇行しながら近づいてきました。そして驚くことに、私の膝の上に乗ってきました。その瞬間、「この子だ!」と一瞬で恋に落ちました。
## 一筋縄では行かない保護犬と信頼関係を築くこと
その後、彼女を家族に迎え、クインチと名付けました。でもクインチを家族に迎え入れる決断は、簡単なことではありませんでした。クインチは保護施設でずっと室内にいたため、外の世界を知りません。家に来てすぐの頃は、散歩中に聞こえる葉っぱのカサカサ音だけで怖がってしまいました。外で恐怖を感じると、固まって動かなくなってしまうので散歩するのも一苦労でした。トイレトレーニングも倍の時間がかかりました。そんな様子を見て、私は「時間をかけてじっくり向き合おう」と決めたのです。
多くの時間を費やしていたボランティアの活動から身を引き、2匹の愛犬と一緒により多くの時間を過ごすようになっていました。この期間で、クインチが日常生活を安心して送ることができるように、トレーニングを始めました。
日々クインチと過ごす中で、彼女は街中の騒音や人などの刺激に恐怖を感じる一方で、自然の中では、自由に振る舞えることに気付きました。それからというもの、私たちは自然豊かな場所への訪問や様々なアクティビティを楽しむようになりました。ハイキング、パドルボード、ドックアジリティ(犬と人間が一緒に行う障害物競走)、ハンモックでのお昼寝、バックパッキングなどは、私たちが体験した多くの一部です。クインチと一緒に過ごす数えきれない自然へのチャレンジの日々は、お互いの存在を特別なものにしてくれました。クインチを家族に受け入れてから約9年間、私たちは大きく成長しました。
## 私と犬が紡ぐこれからの人生と活動
チッパーを2年前に亡くし、クインチが10歳の誕生日を迎える今、私はボランティア活動への復帰を決意しました。動物保護の仕事に戻りたいという思いが強くなり情熱が再燃したのです。ただし、今回は以前所属していた団体へ戻るわけではなく、新しい団体や活動場所を探すことにしました。なぜなら自分の資格や能力を使って、より大きな影響を与えられるような場所で働きたい」と感じるようになっていたからです。
私は現在、NAGI財団とAlmost There Rescue という2つの団体で仕事をしています。NAGI財団は、アメリカの先住民が住む地域で飼われている犬達に無料の健康診断と避妊・去勢手術を提供しています。一方のAlmost There Rescueは、妊娠中の母犬やその子犬を保護し、子犬たちが健康に成長した後、適切な家庭へのマッチングを専門とする組織です。
クインチと過ごす時間とボランティア活動に費やす時間のバランスを保つことは、時に大変苦労があります。
私にとって”愛犬に愛情をしっかり注ぐこと”、”昔のクインチのような保護されてくる犬達をどうやったら救えるかを考えること”はどちらも同じように重要です。私の人生はクインチとの出会いによって、大きく変化しました。動物保護のボランティア活動を通して、ボランティアの素晴らしさに気付くことができました。
私のボランティア活動は、人間としての気力、自信、達成感を取り戻すことができる活動だと感じています。そして何より、私たちは活動を通して「役に立っている!」という幸福感を実感することができます。
ボランティア活動と聞くと、「施設を訪れて、具体的な活動を行う」といった多くの時間と労力を投じるイメージを持つ人が多いかもしれません。でも、実際にはそれだけではありません。社会問題に関心を持ち、それについてSNSで情報を共有することも、立派なボランティア活動です。
私が小さい頃から持っていた、犬への愛情はなくなるどころか、より増しています。私の人生は、近所の犬と遊ぶことから始まり、やがて自分の犬を飼い、そしてボランティア活動を通じて犬と人との架け橋になることに貢献するまでになりました。この記事を書きながら、私の人生は本当に犬中心で回っているのだなと、改めて感じることができました。