DIG:バッグトラックドッグエバキューションキットを徹底解説
D.I.G.(Design, Innovation & Gear)ストーリーの記事へようこそ。今回は、バッグトラックドッグエバキューションキットについて、いつも以上に深く掘り下げてご紹介します。
愛犬とともに自然の中へ出かけるとき、時には、人里から遠く離れた場所まで足を延ばすことがあります。
そこには、静けさと美しい景色が広がる一方で、携帯電話の電波が届かなかったり、緊急時に頼れるサポートがすぐ近くになかったりすることもあります。
アウトドアを責任を持って楽しむためには、万一の事態に備え、あらかじめ準備をしておくことが大切です。「もし○○が起きたら、どうする?」という問いを想定し、いざというときのための計画を立てておく。
そんな考えから、バッグトラックドッグエバキューションキットの開発が始まりました。

バッグトラックドッグエバキューションキットとは?
バッグトラックドッグエバキューションキットは、緊急事態が発生し、愛犬が自力で車まで戻ることが難しくなった場合に、愛犬を運ぶためのサポートとして設計されています。
救急用の犬用マズルと、緊急時に愛犬を運ぶためのスリングを内蔵した人用ベストがセットになっており、予期せぬ事態に備えながら、愛犬とのアウトドアを安心して楽しむための装備です。
アウトドアギアと同じように、バックパックに入れる前に、どのような場面で使うためのものなのか、どのように使うのか、そしていつ使うべきなのかを知っておくことが大切です。ここからは、基本的な使い方に加えて、愛犬にギアを慣らしていくためのポイントや、このキットがあなたと愛犬に適しているかを判断するためのポイントもご紹介します。
動画:バッグトラックドッグエバキューションキットの使い方と準備
Ruffwear PackメンバーのKristenと愛犬Emmaが、バッグトラックドッグエバキューションキットのさまざまな機能や、愛犬と一緒に使う方法を実演しながらご紹介します。サイズ調整のポイントや、愛犬がギアに慣れるための方法も紹介していますので、ぜひご覧ください。
※動画はYouTubeで再生されます。日本語字幕を設定してご覧ください。
出発前に:キットと愛犬の準備ガイド
このキットをバックパックに備えますが、できれば使うことなく過ごせるのが一番です。とはいえ、いざというときにすぐ使えるよう、出発前にしっかり準備しておきましょう。
この準備には時間がかかります。また、犬によって慣れるペースも異なります。愛犬の様子をよく見ながら、そのペースに合わせて進めてください。
STEP 1:慣らす
まずは、救急用マズルとスリングに良い印象を持ってもらうことから始めましょう。ギアを愛犬に見せ、2つのアイテムの匂いを嗅がせながら、おやつや褒め言葉でポジティブな印象を作っていきます。
STEP 2:装着・調整する
まずはスリングの人側を装着し、自分の身体に合わせて調整します。調整ができたら一度スリングを外し、愛犬と一緒に犬側の調整を行います。このときも、おやつや褒め言葉を使いながら、ギアに良い印象を持ってもらうことが大切です。
STEP 3:練習する
まずは自宅や庭など、愛犬と飼い主がストレスを感じにくい環境で、救急用マズルと搬送用ハーネスに慣れていきましょう。最初は短時間からゆっくりと始め、こまめに休憩を取りながら、おやつや褒め言葉を使って楽しい経験にしていきます。
STEP 4:パックに備える
理想は、いつもバックパックに入れておきながら、一度も使わずに済むことです。長期間使用しない場合でも、愛犬がギアの感覚を忘れないよう、ときどきSTEP 1~3を繰り返しておきましょう。

バッグトラックドッグエバキューションキットは、あなたと愛犬に合う?
バッグトラックドッグエバキューションキットが、自分と愛犬に適しているか気になっている方へ。ここでは、使用を検討する際に確認しておきたいポイントをご紹介します。
愛犬の体重を持ち上げ、運びながら歩くことができますか?
このキットは、愛犬を運ぶ際のサポートとして設計されています。愛犬の体重を持ち上げて運んでも、自分自身がケガをすることなく安全に行えるかどうかを考えてみてください。判断に迷う場合は、医師に相談してください。
愛犬と飼い主の身長差は、使用する際にどのように影響しますか?
スリングは、愛犬の背中の上部が飼い主の腰のあたり、またはそれより低い位置にくる場合に最も適しています。愛犬の背中が飼い主の腰と同じ高さ、またはそれより高い位置にくる場合は、このキットは適していない可能性があります。愛犬の背中が高い位置にあると、スリングで愛犬を十分に持ち上げられる位置まで支えることができず、飼い主が立ち上がった際に愛犬の身体を地面から浮かせられない可能性があるためです。

バッグトラックドッグエバキューションキットは、何kgまでの犬に対応していますか?
このキットは、体重約46kgまでの犬に対応しています。スリング自体はこの重量を支えられるよう設計されていますが、実際に愛犬を持ち上げて運ぶ際には、自分自身が無理なく安全に行えるかどうかも考慮してください。
どのくらいの大きさの犬に対応していますか?
愛犬の胸囲に合わせて3つのサイズから選べます。人が着用するベスト部分のサイズは各サイズ共通で、胸部ストラップは最大170cm、ウエストストラップは最大200cmまで対応しています。
なぜ救急用マズルがセットになっているのですか?ほかの用途にも使えますか?
ケガをしたり痛みを感じている犬に対応する際、最初のステップとして救急用マズルを使用することは一般的です。どれだけ普段おとなしい愛犬であっても、緊急時のストレスや痛みによって、意図せず人を傷つけてしまうことがあります。
マズルは、愛犬の状態を確認したり、身体を持ち上げて運んだり、添え木を当て包帯を巻いたりする際など、初期対応の場面で特に重要です。搬送中は、状況に応じてマズルを外し、愛犬が自由にパンティングをしたり、水を飲んだりできるようにする必要があります。
この救急用マズルは、こうした緊急時やケガをした犬への対応を想定して設計されており、それ以外の用途で使用することを目的としていません。愛犬に使用する際は、かかりつけの獣医師に相談し、適切な使用方法を確認してください。

使い心地を教えてください。
緊急時の搬送に使用するための軽量でコンパクトな設計を基本としながら、可能な限り快適に使用できるよう、細部まで工夫を施しています。
愛犬側では、脚のループを調整できる仕様と、ハンモックのように愛犬の身体を支えるスリングを採用しています。スリングが愛犬の体重を分散させ、体重の大部分がかかる胸部をしっかり支える設計です。
飼い主側では、胸部とウエストのストラップで荷重を支えやすくし、ショルダーストラップには薄いパッドを施しています。
バッグトラックドッグエバキューションキットを使うとき・使わないとき
繰り返しお伝えしたいのは、緊急時への備えや、いざというときにこのキットが愛犬と飼い主にどのように役立つのかについて、あらかじめ獣医師に相談しておくことが大切だということです。
ここでは、医療の専門知識を持つ獣医師の協力を得て、キットを使用する際に知っておきたい一般的な目安をご紹介します。
マズルの使用を避けるべきケース:
- マズルによって、愛犬が自由に呼吸できない場合
- 非常に暑い環境で、マズルがきつく、十分にパンティングできない場合。この場合はマズルを外すか、使用する場合でもできるだけ短時間にしてください
- 呼吸が苦しそうな犬。特に、短頭種(いわゆる鼻の低いの犬種)の場合
- 呼吸が困難な犬(歯ぐきが青色または紫色になっている場合)
- 嘔吐や吐き戻しをしている最中の犬
搬送用スリングの使用を避けるべきケース:
- けいれん発作を起こしている犬
- 呼吸が苦しい状態にある犬
- スリングの中で強いストレスを感じ、激しく動き回る犬
- 出血が止まらない犬

“AN OUNCE OF PREVENTION IS WORTH A POUND OF CURE(備えあれば憂いなし)”
これは、ウィルダネス・メディシン(野外救急医療)の講習でよく耳にする言葉です。できれば使うことなく済んでほしいギアについて、ここまで詳しくご紹介してきましたが、最後にこの言葉をあらためてお伝えしたいと思います。あらかじめ計画を立て、必要なギアを準備し、万一に備えておくこと。それが、このキットを使わずに済むための最も大切な準備です。
それでも、予期せぬことは起こります。そんなときに備えて、バッグトラックドッグエバキューションキットは愛犬と飼い主をサポートするために設計されています。デザイナーたちは細部にまでこだわり、いざというときに目の前のことに集中できるよう、ギアの設計を追求しました。